2013-01-01から1年間の記事一覧
「あーん、深水はどうしてもっと手際良くできなかったの・・・。」緑髪ボブの少女が、だるそうにぼやく。「いいじゃん。結果としてあいつを止められたんだろ?」少年は、涼しい顔で返す。「そうだけどさー・・・こんなのって、ないよ・・・。」「そう言うけ…
こんな拙い文章をここまで見て頂いた方、 本当に感謝してもしきれないです・・・。かなり原作を改悪しているような気がして、 なんだか恐れ多いやら、いろいろあれです。おまけに病んでいるかと思うくらい重いですが、本当はギャグが好きなんです。 何故か書…
名前 リア 東雲 晩秋(本名) 初登場 一話種族 人間→半妖 年齢 16歳→18歳性別 男性 身長 やや高 二つ名 妖刀の使われ手、非業の外来人 能力 心が通じ合った者の能力を強化する程度の能力 人間友好度 高 危険度 中 戦闘能力 弱妖怪クラス〜一般妖怪クラス 天…
「そっか。」力なく笑うことしかできなった。 昔からあまり判断力は良くないが、頭の回転だけは自信があった。今だけは、その頭脳が疎ましかった。「あっ小春様、市場で給油してきますね。」 「おう、行ってこーい。」 ののも一緒だった。すぐにこちらの意図…
誰のために、こんなに喉切らして走っているのか。 喉掻き裂き血を吐くまで、叫び続けたのだろうか。自分が、自分で抑えきれそうになかった。 ぜんぶぜんぶ、自分が弱いからなんだ。 自分さえ強かったら、こんなことにはならなかったのに。こんなに、だらしな…
上がる息がどんどん激しくなっていって、頭もぐらぐらしてくる。 痺れたように感覚を失くした左腕は、刀の柄を手放した。大好きで、大切な人を殺害したけだものを、殺せなかった罪悪感。 昔からずっと憧れていた恩人に斬りかかった罪悪感。目の前にいるのは…
とうとう、この世界が終わる予定から既に二日が経った。 朝起きて周りを確認しても、 俺の部屋であることは覆す事が出来ない。ナズーリンさんが近くで寝ていたのも、 現実に戻すには十分な効果があった。 昨日と何も変わらないから、逆に怖くなる。 変わるは…
あの夜退院してから、また日が昇る。 本当ならば、今日はもう幻想郷に戻っているはずなのに。少し前からひしひしと感じているのだが、何かがおかしい。 そして、あれから彼我さんの姿を見ない。 本人は力尽きて、この世界は余韻のようなものなのだろうか。だ…
こんにちはリアです。ただいま人生でベスト20を争うピンチに陥っています。どういう事かというと、十年来の友人が俺に羽交い絞めをして、 クラスの真面目な女の子がそんな俺を包丁で刺し殺そうとしています。 いや、刺し殺そうとしているのかは不明です。 も…
「・・・シュウ、その腕どうしたんだ?」登校するや否や、駆けよってきた稟にそんな事を尋ねられた。 もちろん、視線は包帯でぐるぐる巻きになった手。「あー、転んだの。」 「どんな転び方したらそうなるんだよ・・・。」もちろん嘘だった。本当は袖は空っ…
ナズーリンさんが寝てから一時間ほどが経過した。電気を消さずに寝てしまうなんて、よほど疲れたのだろうか。 「ん・・・」 ・・・彼女の伸びに少し驚いたが、まだ寝ている事を確認した。 というか、当たり前か。 あんな事があって、疲れないはずがない。傷…
空は、月がたくさんの光を纏って、 ベランダの二つの影を明るく照らしていた。 「・・・ひとつ、尋ねたいことがあるんだ。」沈んだ面持ちで、でも取り繕うように声色は明るめに。 そうナズーリンさんが俺に問いかける。 「・・・うん。」 俺は軽くうなずくと…
「・・・凄いね。」 俺がそんな事をぼんやりと呟くと、 紺色の髪の少年はにっと歯を見せた。 「あんまり、動揺しないんだな。」 「まあね・・・もう何があっても驚かないよ。」 半透明な青いフィルターを通したような世界。 空中に浮くように、無重力のよう…
「・・・。」 目蓋を開けると、鋲の打ってある白い天井。 重力が、身体全体にのしかかっているのを感じた。 ゆっくりと身体を起こすと、たまっていた涙が頬を伝った。 でも、どうして俺は泣いているんだろう。 寝起きに、目に涙でも溜まっているのだろうか。…
「はい、何かおっしゃる事はありませんか?」 「チャイムが聞こえませんでした。」「いい度胸だなてめえ。何か一発芸しろよ。」 しょうがないじゃないか。 ドアを開けたら、皆白衣で物音ひとつさせずに座っていたんだもの。なんかの宗教かと思ったわ。 「遅…
※リア君は現代入りしている。 ただし、その世界はリア君の記憶をベースにして彼我さんが具現化。 この世界は「リア君の記憶を頼りに」「自然」に動いていく ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 彼我さんと話し、一段落したところで。 図書…
「英語のワークシートやってきた?今日提出だよ。」「えっ」「珍しいな、シュウがやってこないなんて。」ヒカリは、さも前から知り合いのような態度で話しかける。 そして稟が俺に驚きのような視線を投げての一言。「いつの?」「あー、そうだな、先週に出さ…
「大事な事を忘れていたんだが、忍び込むのならば私服でよかった。」 「いまさら何を言っているんだお前は。」可憐な制服姿のプラスを全て奪い去る無表情な声で、ナズーリンが言い放つ。朝。ナズーリンが切符を買い損ねたので結局電車に間に合わず、自転車の…
「まずは制服を調達しなければなっ。」 「あのさ、そういう問題じゃないと思うんだけど」ナズーリンと深水が学校に行く事になった・・・が。 よくよく考えると根本的な問題が二つある。 夜の11時。もう深夜である。 あと、たぶん二人は生徒としてここにいな…
「やっと、一息つけるな。」ナズーリンの安堵の声。 「うん・・・。」周囲の視界は、家のリビング。 妹と、深水も一緒である。 俺は、どうやら熱を出していたのだ。でも、さっき見た悪夢は、現実だった。 夢の中の、現実。 俺は稟に首を絞められた。いや、違…
「あのー、暇なので将棋でもしませんか。」 「どうせ空想だし、筒抜けなので嫌です。」腕を軽く顔にあてて、駅のホームでまどろみながら言う。薄紫のワンピースを着ている彼我さんは、 見るからに退屈そうだった。お腹がすいている上に、まだ三十分も電車が…
「あれっ、シャクナゲさん。珍しいね。どうしたの?」「いえ、ちょっとリアさんの様子を見に来ただけですよ。 最近、彼はどうですか?元気でやっていますか?」「今日は朝からぐっすり寝てるよっ。 連日の疲れが出ちゃったんだと思うな。 お休みの日は、休む…
ああ、また朝が来てしまった。かつては見慣れていた、天井の木の板目。 だが、どういった訳だろうか。安堵というか、懐かしさと言うのか。そういった類の感情が、まったく湧いてこないのだ。 ここは、俺の記憶から再現されていたものだ。そう、俺は今、自分…
こんちくわ。わおみどです。最初に、陰湿な表現や不快感を与えるような表現、早苗さんやナズーリンの言動に、 キャラクター崩壊と感じた方は、本当に申し訳ないです・・・。恐らく、鬱鬱とした展開の方が、私は得意なのだと思われます。※ちなみに、毒笹子の…
「あの、本当にやるんですか・・・?」不安そうに震えた小さな声が、尻尾の方から響いた。私の尻尾のバスケットの相棒、それにぞろぞろ付いてくる小ネズミたち。 まだ修業を積んでいないから、私の指示を聞くくらいしか能がないが、まあ、使える。暗闇の中、…
「ご主人様っ・・・!!」息せききって、広間のふすまをスパンと開け放すと、 唖然としたご主人が、そこに座っていた。きょとんとしたような瞳が、余計に私の胸を締め付けた。でも、今の私にためらいなんていらなかった。「・・・どうしたんですか?」彼女の…
材料をすりつぶして混ぜて、砂糖を加えるだけ。これだけであの風味豊かな味が出るとは信じがたいものの、 下手に何か加えてご主人様に不快な思いをさせたくないな・・・。小さな紀憂を頭にかかえつつ、 混ぜ終わったその液体の入った箱を冷やすべく、私は氷…
少し前、適当にいつものように本を読みあさっていた時の事。 私の目は一つの記事に留まった。普段からの思いを伝えるのに、チョコレートを送る習慣があるという事。今日は、バレンタインデーというらしい。大好きなご主人様へ、感謝の気持ちを込めて、日ごろ…
烏天狗と、かけっこで一騎打ち。相手は絶望的なハンデ、こちらは新技で応戦できる。 先にあの木まで辿り着いたら勝ちなのだ。何しろ、相手は天狗とはいえ、 下駄を反対方向に思い切り投げている。 その下駄をはいて、さらに木まで切らなくてはならないのだ。…
命蓮寺への帰り道を急ぐ事しばし。 頭の中はあの事でいっぱい。恋に焦がされる少女のように、あの事が頭から離れない。何で首を折ろっか。バールがいいかなぁ。 それとも竹竿の方がおしゃれかなあ?うーん、まよっちゃう。ふざけるのはともかく、あんなのが…