2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

東方幻想今日紀 百六十二話 もう君の目に私は映らない

「・・・。」 目蓋を開けると、鋲の打ってある白い天井。 重力が、身体全体にのしかかっているのを感じた。 ゆっくりと身体を起こすと、たまっていた涙が頬を伝った。 でも、どうして俺は泣いているんだろう。 寝起きに、目に涙でも溜まっているのだろうか。…

東方幻想今日紀 百六十一話 幻覚

「はい、何かおっしゃる事はありませんか?」 「チャイムが聞こえませんでした。」「いい度胸だなてめえ。何か一発芸しろよ。」 しょうがないじゃないか。 ドアを開けたら、皆白衣で物音ひとつさせずに座っていたんだもの。なんかの宗教かと思ったわ。 「遅…

東方幻想今日紀 百六十話 タイムパラドックス

※リア君は現代入りしている。 ただし、その世界はリア君の記憶をベースにして彼我さんが具現化。 この世界は「リア君の記憶を頼りに」「自然」に動いていく ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 彼我さんと話し、一段落したところで。 図書…

東方幻想今日紀 百五十九話 白彼我さんと、姿の見えないだれか

「英語のワークシートやってきた?今日提出だよ。」「えっ」「珍しいな、シュウがやってこないなんて。」ヒカリは、さも前から知り合いのような態度で話しかける。 そして稟が俺に驚きのような視線を投げての一言。「いつの?」「あー、そうだな、先週に出さ…

東方幻想今日紀 百五十八話 存在するはずだった未来の記憶

「大事な事を忘れていたんだが、忍び込むのならば私服でよかった。」 「いまさら何を言っているんだお前は。」可憐な制服姿のプラスを全て奪い去る無表情な声で、ナズーリンが言い放つ。朝。ナズーリンが切符を買い損ねたので結局電車に間に合わず、自転車の…

東方幻想今日紀 百五十七話 ホームシック

「まずは制服を調達しなければなっ。」 「あのさ、そういう問題じゃないと思うんだけど」ナズーリンと深水が学校に行く事になった・・・が。 よくよく考えると根本的な問題が二つある。 夜の11時。もう深夜である。 あと、たぶん二人は生徒としてここにいな…