2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

東方幻想今日紀 百五十六話 訪れる黒幕の足音

「やっと、一息つけるな。」ナズーリンの安堵の声。 「うん・・・。」周囲の視界は、家のリビング。 妹と、深水も一緒である。 俺は、どうやら熱を出していたのだ。でも、さっき見た悪夢は、現実だった。 夢の中の、現実。 俺は稟に首を絞められた。いや、違…

東方幻想今日紀 百五十五話 国民的スポーツ「しりとり」

「あのー、暇なので将棋でもしませんか。」 「どうせ空想だし、筒抜けなので嫌です。」腕を軽く顔にあてて、駅のホームでまどろみながら言う。薄紫のワンピースを着ている彼我さんは、 見るからに退屈そうだった。お腹がすいている上に、まだ三十分も電車が…

東方幻想今日紀 百五十四話 未練は、思い出に変えてしまおう

「あれっ、シャクナゲさん。珍しいね。どうしたの?」「いえ、ちょっとリアさんの様子を見に来ただけですよ。 最近、彼はどうですか?元気でやっていますか?」「今日は朝からぐっすり寝てるよっ。 連日の疲れが出ちゃったんだと思うな。 お休みの日は、休む…

東方幻想今日紀 百五十三話 長い悪夢の始まり

ああ、また朝が来てしまった。かつては見慣れていた、天井の木の板目。 だが、どういった訳だろうか。安堵というか、懐かしさと言うのか。そういった類の感情が、まったく湧いてこないのだ。 ここは、俺の記憶から再現されていたものだ。そう、俺は今、自分…

鼠色のほろ苦いチョコレート あとがき

こんちくわ。わおみどです。最初に、陰湿な表現や不快感を与えるような表現、早苗さんやナズーリンの言動に、 キャラクター崩壊と感じた方は、本当に申し訳ないです・・・。恐らく、鬱鬱とした展開の方が、私は得意なのだと思われます。※ちなみに、毒笹子の…

鼠色のほろ苦いチョコレート 結

「あの、本当にやるんですか・・・?」不安そうに震えた小さな声が、尻尾の方から響いた。私の尻尾のバスケットの相棒、それにぞろぞろ付いてくる小ネズミたち。 まだ修業を積んでいないから、私の指示を聞くくらいしか能がないが、まあ、使える。暗闇の中、…