東方幻想今日紀 八話  命蓮寺面接試験(?)

前回のあらすじ 一人で広い和室で足が動かない。

あああ・・・。
足がもう冷たくなってきました。
俺は畳の上で死ぬのか。(意味が違うけど)
あれだ、今ならエコノミークラス症候群で死ねる。

・・・ん?足音・・?

しばらくするとナズーリンさんが戻ってきた。
凄く助かった・・・!!何だ女神か。

「遅れてすまな・・・う・。ものすごい笑顔だな・・・
 少し気持ち悪いなあ・・。どうしたんだい・・?」

ちょっとへこんだ。泣いてなんかいないさ。

「いや実は足が動かなくてですね・・・。
 正座してたらその・・・ちょっと動かないんで
 すみませんが伸ばしてくれませんかね・・?」

俺がそういうとナズーリンさんは
はっとした顔をした。

「あ。そういえば正座と言ったな・・。
 すまない、わたしの落ち度だった。
 ちょっと待っててくれ・・。足を貸してほしい。」

ナズーリンさんが俺の足に手を伸ばそうとしたとき、 
誰かの足音が聞こえた。

「あ、何やってるの?・・・まさか・・・。
 ご、ごめん、呼ばれたから来てみたけど・・・。
 お楽しみの最中で・・・」

「だから・・っ!!揃いも揃って・・。何でそうなるかな・・!?」
「冗談だよ冗談。そんな怒んないでよ・・。何してるの?」

その子は黒髪で船長のような帽子をかぶっていた。
で・・・セーラー服。どうなってんだこの世界。

「・・・見てわからないかなあ?」
「いや、見たまんまだと誤解できると思う。」
「・・彼が足を痺れさせてて動けないんだ。間抜けだが・・。」
「ああ、ナズが言ってた子って彼?・・・馬鹿なのかな・・よっと。」

ありがたい・・・それにしても酷い言われようだ。
って痛あ!!血が通ってきて痛みが来た!!
嬉しいけど凄い痛い。
「あ・・・ありがとうございます・・・っつう・・。」
また誰か来た。
いや、呼んで来てくれたんだから当たり前だけど。

「ん・・。彼ですか。ナズが言ってた子は。」

今度は青い頭巾の子がこちらに寄ってきた。

「何だか苦々しい顔をしてますが大丈夫ですか・・?」
「あ、大丈夫です・・・・。すみません。」

あんまり大丈夫ではないけどね。
ちょっとマジでこれは痛い。死ねる。
というか心配してくれた・・。嬉しい。

そして、頭巾の子が神妙な顔つきで続けた。

「いっそ・・私がこの手で楽に・・・」
「しなくていいですからねっ!!?」

畜生。油断してた。真顔でこんな事言われるとは・・。
というか一点の曇りもない目でこんな事言わないで下さい。

「おーい、みんな呼んできたよ。遅れてごめんねー。」
さっきここで会った黒髪の子が戻って来た。

「お・・?みんな来たみたいだな・・。」
本当だ。多いな・・・。大家族・・・違うか。
・・・ノリ突っ込みさびしい。

ナズーリンさんが卓袱台と座布団を用意し始めた。
「さて・・・みんな座ってくれ。大切な話がある。」

・・ここで断られたら・・他のところに行かなきゃならない・・。
何か裁判を受ける気分だ・・。前科はないけど・・。


つづけ